わたしの推しを紹介します

推しの話をします。

なれそめ②

「イケメンとセックスしたい」

そう思ったわたしは、とりあえずその時流行り出していたマッチングアプリを使ってイケメンを探すことにしました。

探すからには一切妥協はしない。
絶対条件である顔がタイプであることは外せない。でもどうせ抱かれるなら高身長で細身のイケメンがいい~!と、更なるハードルを加えて理想のイケメンを探し始めました。

しかし、そう上手くいくはずもなく。

気になる人にメッセージを送っても返ってこない、メッセージをくれる人は全くタイプじゃない、会うところまでこぎつけても写真詐欺……

マッチングアプリでイケメンを探すなら、写真が3枚以上登録されていてそれがすべてかっこいいと思える人を狙うのがおすすめです。
それから、身長や体型を登録していない人は9割方チビかデブです。ご参考までに。

そんなこんなで苦戦を強いられながら探し続けたある日、人生の転機が訪れます。

「二推し」との出会いです。

まだ推しも出てきてないのに二推しってなんだよと思われた方すみません。

しかし、二推しなしには推しのことは語れないので、脱線して二推しの話をします。

はじめて二推しのプロフィールを見たとき、正直これはサクラだろと思いました。

何故なら、イケメン、高身長、細身が三拍子揃った上に、年収2000万越えの青年実業家だったからです。

釣り針でかすぎでは?と思いながらとりあえずメッセージを送りました。

なんと奇跡的に返信は来たものの、何通かやり取りしたあとぱったりと返事が来なくなり、やっぱりダメだったか、と思ってしばらく二推しのことは忘れていました。

しかし、3ヵ月くらい経ったある時、突然「会ってみないか」というメッセージが来たのです。
なんで?このタイミングで?しかも大してやり取りもしないで突然会う?
色々と疑問はありましたが、ようやく掴んだ理想のイケメンと会うチャンス、逃すわけにはいきません

わたしは二推しに会いに行くことにしました。


約束の日、仕事終わりに二推しの自宅最寄り駅に呼ばれました。

相手の最寄り駅。
明日は休日。
開始時間的に終電で帰される可能性も少ない。

これはもう、セックスだな、と思いました。

駅まで迎えに来てくれた二推しは写真通りのかっこよさ。

さらに案内されるまま乗り込んだ車はベンツ。

おしゃれな雰囲気のレストランでディナー。

仕事でコンサルをやっているだけあってトークも軽快。

あれよあれよという間にわたしは二推しとホテルインを果たしていました。

念願にも関わらず、まだ何もしていないのに既にキャパオーバーを起こすわたし。

思わずホテルイン即トイレインしました。

どうしよう、わたし、このままイケメンに抱かれるの??大丈夫??
トイレを出たらもうおっぱじまるの??

とりあえずツイッターでホテルイン報告をして、期待いっぱい不安いっぱいのままトイレを出ると、

「アニメ見よっか」

と、iPadを開いた二推しに迎えられたのでした。

そういえば、レストランで話しているときに好きなアニメについても話していたのですが、まさかイケメンとラブホで見るハメになるとは。一生の思い出です。

きっと、わたしがあまりにも緊張していたので気を遣ってくれたんだと思います。

見慣れたアニメを見ることで無事落ち着きを取り戻し、2話のエンディングが流れる中、不意の接吻。

からのセックス。

二推しは顔も綺麗なんですけど身体も鍛え上げられていて、なんていうか…あの、すごかったです。(小学生並みの感想)

ところで、明け方早く目が覚めて、何気なく二推しの顔を見た瞬間のことが今でも忘れられないんですけど、

イケメンって寝顔が綺麗なんです。
いやほんとに。

生でイケメンの寝顔なんて初めて見たので本当にびっくりして、

え?!綺麗!!寝顔が!!綺麗?!
イケメンって寝てても綺麗なの?!
あ~~!!そっか~~~!!!

と、よくわからないけど1人で納得しました。
きっとイケメンの生寝顔を見たらわかるので見てください。


翌日はベンツのオープンカーで海岸沿いをドライブしたり、
ドライブをしながらわたしの好きな曲を流してくれたりしたんですけど

まってまって~!

それ昨日ラブホで見たアニメの主題歌~~!!

オープンカー音ダダ漏れ~~!!

しかもベンツ~~!!

いえ~~~い!!

いっそ殺してくださ~~い!!

そんなこんなで駅まで送ってもらって、最後はさよならのキスでお別れしました。


ごらんの通り二推しは本当にパーフェクトで王子様みたいな人なんです。

これ以上ないくらいに完璧に「イケメンとセックスしたい」という夢が叶いました。


しかし、こんな夢みたいな体験をしてしまった上に、しばらく全力をかけて取り組んでいた「イケメンとセックスする」という夢を叶えてしまったことで、しばらく燃え尽き症候群的な症状に陥りました。

しかも、わかってはいましたが二推しにとってわたしは別にただ1回やっただけの女に過ぎないわけで、会ってから何通かLINEをしただけでそこからぱったりと連絡は途絶えていました。


このままでは奇跡的にイケメンとワンチャンしただけたのただのアラサーOL…

これでは今までと何も変わらない。

このままではだめだ。

そう思ったわたしは、次の目標を立てることにしました。


キリがいいので今回はここまで。
次回こそ推しが登場します。